天然では、小さな分子同士が相互作用することで分子集合体 (超分子) を形成し、個々の分子の能力を超えた機能を発現します。分子から超分子に変化するにつれて、高度な機能が賦与される集合体は、材料としても大変魅力的です。他方、緻密かつ精巧に形成された分子集合体の構造と機能の相関性に関わる理解は、未だ氷山の一角にすぎません。我々は、分子集合体を扱った研究を行い、学際研究を通して本課題に挑みます。
① 分子集合体を「制御する」
分子集合体の機能発現には、集合体構造を形成するビルディングブロックの構造や相互作用を考慮した設計が求められます。目的の機能を得るために、分子認識化学やナノ材料工学に基づくアプローチで、分子集合体の構造制御に取り組みます。溶液のみならず、薄膜、ゲル、固体粉末など、あらゆる分子集合体を扱います。② 分子集合体を「理解する」
機能を自在に操作するためには、分子集合体の構造に関する情報が材料設計への手掛かりとなります。そこで、様々な分析法や解析法を組み合わせて、あるいは新たに開発し、分子集合体の構造と機能の相関性を明らかにしていきます。③ 分子集合体を「活用する」
分子集合体の機能を最大限に引き出す活用法 (例:化学センサ、有機デバイス) を提案・具現化し、100年後の世界を変える研究を目指します。